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【国内大会】MLBB JAPAN TOURNAMENT(MJT)2021の結果と振り返り

出典元:JEG公式twitterアカウント

2021年3月20日、21日にMLBB JAPAN TOURNAMENT(MJT)が開催されました。

52チームが参加したこの大会はベスト8までが20日にBO1で予選として行われ、21日の本戦ではベスト4に進出したチームがBO3で優勝を競いました。

25万円相当の商品と60000ダイヤ、そして日本一の名誉をかけた大会はかつてないほどの高いレベルの試合が続出し素晴らしい盛り上がりを見せてくれました。

ここでは21日に行われた準決勝からの試合を中心に振り返ってみたいと思います。

準決勝に進出した4チーム

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3月20日に行われた予選の結果

  • 10second gaming frost (以下10sf)
  • Cyneric (以下Cy)
  • ファイヤーブリザードトルネードサンダース (以下FB)
  • Grand Cross (以下GC)

以上の4チームが準決勝進出を果たしました。

準決勝の組み合わせは以下の通りです。

  1. Cy vs FB
  2. 10sf vs GC

準決勝 Cy vs FB

1試合目

出典元:MLBB公式Youtubeチャンネル

まず1試合目、Cyはジャングラーとしてアルファをピックしました。対するFBはサイドレーンにナタリアをピック。海外のプロチームの試合と比較しても珍しい構成で、どちらがその特異性を活かせるかによって優劣が決まる面白いピックになりました。

まず先勝したのはFBでした。

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素晴らしい攻防が繰り広げられる中、決め手になったのはお互いのミッドレーナーの働きの差だったかもしれません。

Cyがミッドのサポートとして採用したメタルヘッドは要所のアンブッシュに待機して奇襲を試みますが、FBのミッドメイジであるカグラによって見破られダメージを与えられる場面があり、行動を制限されていました。

後の試合でも同様にミッドサポートとしてのメタルヘッドとミッドサポートメイジとしてのカグラが対峙する場面がありましたが同様の展開になっていたので、世界的に流行っているミッドサポートメタルヘッドにはカグラで対抗するのが有効なのかもしれません。

Cyのジャングラーであるアルファは集団戦では相手の火力役を狙って後から入りたいところでしたが、メタルヘッドが積極的な立ち回りがし難い展開になっている為に集団戦を仕掛けるイニシエート役をしなければならない場面があり、活躍がし辛い流れだったかもしれません。

FBのサイドレーナーとしてピックされたゾンが防具を積んで、中盤から集団戦で相手を妨害しながらダメージを受けるタンク役に徹していたのも印象的で、FBの構成と立ち回りが噛み合った素晴らしい試合でした。

2試合目

続く2試合目のピックは、以下の通り。

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先勝しているFBは前の試合と同様にナタリアをピック。構成をほぼ同じにして連勝を狙います。対するFBはミッドのサポート役をメタルヘッドからパキートに変えて挑みます。

ダメージを受けるのではなく、前線で持ち前のスピードを活かして相手を翻弄する狙いです。集団戦で耐久力を上げるためにバラッツをピックしてバランスを取っています。

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勝利したのはCyでした。

前の試合でFBのカグラがCyのミッドサポート役のメタルヘッドをけん制できていましたが、この試合ではパキートに替わってカグラのスキルが当たりにくく止めにくくなっていました。パキートが相手を翻弄する中でジャングラーのハーリーやサイドレーナーのブロディが火力を出し、試合を優位に進め勝ち切っていました。

FBは前の試合同様素晴らしい立ち回りを見せてくれましたが、Cyが上手く修正して1試合取返し、決勝進出をかけた戦いは3試合目に突入しました。

3試合目

3試合目のバンピックでは、ここまでの2試合の流れが大きく変わりました。

 

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Cy先攻で始まりましたが直前の試合で勝利の決め手の一つになっていたパキートを自分たちでバンしメタルヘッドをピック。更に1試合目で苦しめられたカグラもピックして脅威を取り除きました。

対するFBはカグラの替わりにボボル&クバをピック。サイドレーンに隼とエスメラルダを配置して非常に攻撃的な布陣です。

守備が手厚くメタルヘッドが前線をかき乱しながら徐々に有利を作りたいCyと、攻撃的な構成で押し切りたいFB、お互いの狙いが透けて見える素晴らしいバンピックです。

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結果はCyが勝利して決勝進出を決めました。

勝負の決め手になったのは集団戦でのダメージの出しやすさだったかもしれません。

序盤から激しい攻防でほぼ互角ではありながらも若干の有利を作れていたFBに対し、中盤10分を過ぎたあたりから盛り返し始めたCy。

構成としてFBは単体へのダメージを与えるヒーローが多くCyの方が少しだけ戦いやすい構成だったのかもしれません。

日本最強を決める大会でのベスト4だけにどちらも個人の技術力は非常に高く優劣はつけられませんが、Cyがバンピックの面で有利に展開できたような印象でした。

準決勝 10s vs GC

1試合目

出典元:MLBB公式Youtubeチャンネル

10s vs GCの1試合目はここまでバンされる事が多かったパキートとベラが空いており10sはベラを、GCはパキートをそれぞれ分け合うピックになりました。しかしどのレーンに配置するかが違っており、それが試合展開を大きく左右しました。

バランスのいい構成のGCに対して10sはクラウド、イスンシンのハンター二人にエスメラルダをピックして明らかに試合を長引かせる目的が透けて見えています。

序盤で大きな差をつけたいGCと序盤の不利は織り込み済みで試合時間を長引かせたい10s、どちらの狙いが奏功するか注目でした。

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1試合目を制したのは10sでした。

GCのミッドメイジであるファーサを中心に有利を作るGCに対してタートルを無理に獲得しに行かずに無理をしない10s。

ベラをサイドレーンやジャングラーではなくタンク役として採用して敵陣を翻弄、SPスキルで敵の位置を把握できるイスンシン、機動力の高いクラウドらの性能をフルに活かしてGCに抵抗していました。

試合時間10分頃まではGCが優勢でしたが徐々に差を縮めた10sが狙い通りの逆転で勝利。

ファーサは相手はほぼ全ヒーローがカウンターのような存在でダメージも出し辛いのかと思いましたが素晴らしい活躍を見せ、それぞれが要所で活躍を見せてくれましたが敗れたGC。非常に素晴らしい試合だったと思います。

2試合目

続く2試合目のバンピックは前の試合とは違ってGCが試合時間を長引かせるレイトゲームを狙う構成になりました。

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セシリオンとブルーノをピックして彼らが育つまで耐えたい構成です。

対する10sは琥珀とエスメラルダをピックして同様に後半も強いですがジャングラーにハーリーを配置している分だけ序盤から攻勢に出ることができます。

タンク役にパキートをピックして相手を撹乱する狙いは変わりません。

GCはレーン処理の早いグールドが序盤各レーンを支えに行きながら、仮に押し込まれそうな展開になっても耐えるようバランスを取らねばなりません。

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結果はまたも10sが勝利して決勝進出となりました。

序盤からGCの狙い通りに試合が展開されているように思えましたが中盤から10sの琥珀が止まらなくなり、GCのセシリオンらが育って活躍する前に大勢が決着してしまった印象です。

惜しくもここで敗退し3位決定戦に回ることになったGCですが、準決勝から3位決定戦まですべてでファニーをターゲットバンされていたのが印象的でした。

環境に関わらず脅威と見なされ禁止され続けた事は一つの快挙と言えるのではないでしょうか。

決勝戦 10s vs Cy 日本最強を決める戦い

1試合目

決勝戦1試合目は非常に面白いバンピックになりました。

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10sはミッドサポート役にパキートを採用。チームとしてCCが足りないように見えますが、その分火力で相手を圧倒してしまう狙いです。ミニオン処理を早く済ませてレーンを移動し各所で有利を作るイメージでしょうか。

対するCyはバランスのいい構成でCCも充分ですし序盤から火力も出ます。

10sの狙いに乗りすぎる事無く自分たちのペースで進められればいい試合が出来る素晴らしい構成です。

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結果は10sが勝利して優勝に王手をかけました。

10sはサポート役のパキートが各レーンに単体で移動して相手にハラスをかける立ち回りが効果的でした。10sが招待され参加した世界大会M2で、インドネシアのAlter Ego戦で相手のサポート役のLeoMurphy選手がシルバンナを使って10sを相手に有利を作った立ち回りを思い出しました。

6分で5000のグローバルゴールド差をつけた10sがそのまま押し切っての完勝。どちらも経験豊富な両チームですが、10sはCyに比べて落ち着いて冷静に試合を運べている印象でした。

2試合目

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2試合目のバンピックでは、10sがサポートとしてピックしていたベラとパキートをバン。これまでバンされる事が多かったセリナが空きました。すぐさまCyがピックし、序盤から強く攻勢に出られそうです。

対する10sは比較的試合の後半で活躍する事が多いヒーローを中心にピックしていますので序盤に有利を作りたいCyと耐えて反撃に転じたい10s、という試合展開になりそうな構成になりました。

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結果は10sが再度勝利して堂々の優勝となりました。

Cyはファーストブラッドを奪い序盤から攻めましたが、10sは数的有利を作りやすいようにメタルヘッド、嫦娥、ハリスが3人で行動する等して数的優位を作っていました。

メタルヘッドのイニシエートにメイジ二人が続いてダメージを出し、傷ついたメタルヘッドがリコールする間には嫦娥はストーンタートルを獲得したりレーンミニオンを処理、ハリスはジャングルを獲得するなど態勢を整えて再度メタルヘッドがイニシエートをする。この流れの繰り返しがあまりにも効果的で素晴らしく、Cyは次第に抵抗する事ができなくなってしまいました。

大会結果

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優勝10second gaming frost
準優勝Cyneric
3位GrandCross

大会結果は以上のようになりました。10sは世界大会を経験して更に強くなって帰ってきた印象です。ただしヒーローの操作などスキルの部分での差というよりも、バンピックによる構成の差や立ち回りの部分での差が大きかったと思います。

10sは大会を通じて一番構成と立ち回りが噛み合っていました。そして世界の舞台を経験する事で精神的にも強くなり、一番落ち着いて冷静に立ち回れていたと思います。

今後は日本の強豪チームは10sを追いかけ、追い越すことを目標として更に練習を重ねる事でしょう。

次回の大会でもたくさんのチームとプレイヤーが参加して盛り上がりますように期待したいと思います。

大会運営・関係者の皆様、実況解説のお二人、プレイヤーの皆様、観ていて非常に楽しい大会を本当にありがとうございました。

本記事のライター:Nabe

関連動画

■MJT_DAY1_予選

■MJT_DAY2_本戦

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